熱中症の症状と対策|高齢者・子どもに多いリスクと予防法

毎年、夏になると「熱中症」のニュースを耳にする機会が増えます。

総務省消防庁の発表によると、熱中症で救急搬送される方の約6割は65歳以上の高齢者であり、乳幼児や小さなお子さまも重症化しやすいといわれています。

今回は、ご家庭でできる予防と対処のポイントを薬剤師の視点からわかりやすくお伝えします。

熱中症とは?

熱中症とは、高温多湿の環境で体温調節がうまくいかなくなり、体内の水分や塩分(ナトリウム)のバランスが崩れて起こる体の不調の総称です。

軽症ではめまい・立ちくらみ・大量の発汗、中等症で頭痛・吐き気・倦怠感、重症になると意識障害やけいれんを引き起こし、命に関わることもあります。

重症度主な症状判断の目安対応
軽症(Ⅰ度)めまい・立ちくらみ、大量の発汗、筋肉痛、こむら返り意識障害なし涼しい場所で休み、水分・塩分を補給する
中等症(Ⅱ度)頭痛、吐き気、倦怠感、ぼんやりする意識がやや低下している医療機関を受診する
水分・塩分を十分に補給する
重症(Ⅲ度)意識障害、けいれん、高い熱、肝・腎機能の低下呼びかけへの反応が悪い、または臓器に障害があるすぐに救急車を呼ぶ
到着まで体を冷やし続ける
最重症(Ⅳ度)昏睡に近い意識障害、体に強い熱感体温40℃以上、かつ意識が高度に低下しているただちに救急車を要請する
集中治療が必要
参考:日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」をもとに作成 ※Ⅳ度は2024年版で新たに追加された最重症分類です。

なぜ高齢者と子どもは要注意なの?

■ご高齢の方

加齢により体内の水分量が減少し、暑さや喉の渇きを感じにくくなります

また、汗をかく機能や腎臓の働きが低下することで、脱水状態に陥りやすくなります。
「エアコンが苦手」「冷房代を節約したい」と感じる方も多いですが、室内でも熱中症は発生するため注意が必要です。

■お子さま

身長が低いお子さまは、地面からの照り返しの影響を強く受けます。
アスファルト付近の気温は大人が感じる気温より数℃高くなることもあります。

また、体温調節機能が未発達で、遊びに夢中になると不調のサインを見逃しがちです。

出典:環境省「おうちでの対策が熱中症から守る」パンフレット(熱中症予防情報サイト)

ご家庭でできる予防のポイント

  1. こまめな水分補給

のどが渇く前に、1日1.2L程度を目安に水分を摂りましょう
大量に汗をかいたときは、スポーツドリンクなどで水分と塩分を一緒に補給しましょう。

  1. 室温管理

室温28℃・湿度70%以下を目安にエアコンを活用しましょう。扇風機との併用も効果的です。

※湿度は70%以下が目安ですが、50〜60%程度が快適です。室温28℃でも湿度が70%を超えると熱中症のリスクが高まります。
 なお、28℃はエアコンの設定温度ではなく室温の目安です。

  1. 服装の工夫

通気性・吸湿性のよい素材を選び、外出時は帽子や日傘を活用しましょう。

  1. 規則正しい生活

十分な睡眠とバランスのよい食事は、暑さに負けない体づくりの基本です。

「もしかして熱中症かも」と思ったら

涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめて、首・脇の下・足の付け根を冷やしましょう。
意識がはっきりしていれば経口補水液を少しずつ。

返事がおかしい・自力で水が飲めない・けいれんがある場合はすぐに救急車を呼んでください。

※経口補水液は症状が出たときの緊急用です。高血圧や腎臓に不安のある方は、医師または薬剤師にご相談ください。

薬局でもサポートしています

経口補水液をはじめ、麦茶やリンゴジュース(お子さまに大変人気です◎)など、冷たい飲み物も取り揃えております。

また、普段服用されているお薬の中には、利尿作用などで脱水を起こしやすくするものもあります。

「夏場の水分補給で気をつけることは?」「この薬は暑さに影響する?」など、気になることがあれば、お気軽に薬剤師にご相談ください。

おわりに

熱中症は正しい知識があれば防ぐことができます。
ご自身だけでなく、ご家族やご近所の方にも声をかけ合い、暑い夏を元気に乗り切りましょう。

私たち薬局スタッフも、皆さまの健康を全力でサポートしてまいります!

参考資料

総務省消防庁 令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況

「熱中症環境保健マニュアル2022」(令和4年3月改訂)

環境省 熱中症予防情報サイト

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